(公式ツイッター「ふぃぎゅあ」ネタ(クロアロ)
矯めつ眇めつ「駒鳥フィギュア」を舐めるように見ていたアロイスは「それで」と前置きをして振り返り、背の高い執事の顔を見上げる。
「念のため聞いときたいんだけど、それ、何?」
それ、と彼が指さしたのはクロードがつい今しがた仕上げ作業を終えたばかりの木像。幼い主を象って作られたとおぼしきそれはやや荒削りながらもご丁寧に金箔仕上げが施されており、なんとも言葉にしがたい存在感を放っている。
「旦那様の『ふぃぎゅあ』でございます」
「うん、シエルのフィギュアが出るらしいから俺のも作れって言ったんだよね、俺が」
アロイスは笑みを浮かべたまま木像に歩み寄り、少し屈んでしげしげと上目遣いに眺めた。像の周りをぐるぐると回りながら主が検分する間も執事は微動だにせず、しばし沈黙が落ちた。
「お前さぁ、フィギュアって最初に聞いた時は確かに俺もどんなもんだか知らないまま作れって言ったけど、シエルのを見る限りこれってそもそもフィギュアじゃないよね?
むしろあれ……何だっけ……ブツ、そうだ、ブツゾー!っぽくない?」
ニホンから先代が取り寄せたというブディストの神像。正確には神像ではなく仏像というらしい金箔仕立ての像だ。うん、間違いないと1人で納得しながら大きな青い目が執事を見上げる。
「俺こんなのっぺりした顔じゃない!
お前執事のくせに毎日毎日どこ見てるんだよ!
なのに首から下は(ポーズはともかく)ほぼ完璧とか余計最悪!」
執事の袖に掴みかかりながらまくしたてた少年はふと何かに気づいたようにニヤリと笑った。
「それとも、うちの執事は主人の身体にしか興味ありません、とか?」
「主人の顔を不躾にじろじろ見るなど、使用人としてあるまじきことですので」
身体の方は着替えの際に否応なく目にする、ということか。確かに筋は通っている。しかしアロイスは不満げに唇をとがらせた。
「じゃあお前は自分が仕えてる主の顔にまるで興味もないってこと?
普通のハウスメイドだって頭を下げながらこっそり主人の顔を盗み見するもんだけど」
「……不完全なものをお見せしてしまい申し訳ありません。すぐに作り直しますので失礼ながらお顔を拝見してよろしいでしょうか」
意地の悪い揚げ足取りのような言葉にもクロードは至って平静な様子で、その慇懃さが余計にアロイスの気分を逆撫でした。
本格的に少年の怒りが爆発するまで、あと2秒。
うん、多分もうバレてるとは思いますが。
アロたんに「ヒドイ!
俺のカラダだけが目当てだったんだろ!」的なことを言わせたかっただけです。
枢せんせいのMK5でアロイス像の顔がのっぺりだったのは上記のような妄想してもOKということですよね?←
実際1話であんな至近距離に顔を寄せたりしてるんだからあれは多分金のこけしの時みたく手がプルプルしたとかそういうことの結果だとは思いますが。
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