管理人が実際にやらかしたことなのでリアリティだけはあります。笑

紅茶の淹れ方・実践してはいけない編（黒グレル）

　アタシの目の前にある綺麗に磨かれたティーセット。仮の姿とはいえバーネット邸の執事として過ごす以上、紅茶の淹れ方だってマダムから一通りは教わったケド…興味なくて適当に聞き流してたからほっとんど覚えてないワ。さて、どうしたもんかしら。
　確か…まずはカップとポットを温めるんだったわよネ。これは簡単。沸騰した湯をケトルから注げばいいだけだもの。
　次。ポットの湯を捨てたら茶葉を人数＋ポット分だけ量り入れ、アツアツの湯を注ぐ。
　………………。
　スプーンで量ればいい茶葉はともかく湯の量なんて素人のアタシに分かるワケないじゃない。どうしろってのよ。
　………………。
　どうせ後でカップに注ぐんだもの。カップで量って入れればいいわね。うん、我ながら名案DEATH☆
　…あ、茶葉より先にお湯入れちゃった。ま、少々順番が狂ったって別段どうってことないわよね。カップで量った以上湯の量はカンペキな筈だし、茶葉の量も間違いなくスプーンで量ったんだから、手順に問題は見当たらないワ。
　ポットの蓋をしてしばし待つ。…これどれくらい待てばいいのかしら。マダムが言ってたような気もかすかにするけどまるで覚えてないわ。そうネ、カップの準備でもしてればいい具合の時間になるんじゃない？ちょうどカップも温まった頃だし。
　カップをソーサーにセットして…ああ、お茶の抽出ができてれば色が出てる筈よね。ポットの蓋をちょっと開けて中を見てみまショ。うん、バッチリ☆ちょっと色が薄いような気もするけど、この前マダムが飲んでたお茶はこれくらいの色だったし、ちょうどいい筈よね。正直面倒になってきたしこれで持って行きましょっと。

　………………。
「…グレル、あんたどうやったらこんな味も香りもそっけもないくせに色だけ完璧なお茶が出せる訳？」
　マダム、アンタこそこっちが素人だってことは分かってるでショ？無茶言わないで頂戴。
　なんて表立っては言えないのが執事のツラいところ。ああ、セバスちゃんも時にはこんな気分を味わってたりするのかしら。
　とはいえ。
　私、これでも執事DEATH☆

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