乙女を探せ アビス乙女考
1.)
乙女とは「高純度状態にある女性」を指し示す術語である
2.) 「純度」とは「純粋で強い志向性を持つ意識」である。なお、志向の対象は限定されない
3.) 「高純度状態」は幻想を抱かせる。またその幻想はは時間的経緯によってしだいに消失していくものである
(http://menstruation.blog6.fc2.com/blog-entry-3.htmlより引用)
アビスいちの乙女といえば。
なぜか山野の脳裏にはディストの顔が真っ先に浮かんできました。女性陣はどこ行った。
だって、定義1の「女性」って限定を取っ払ったらこれまんまディストじゃ、ん…?!!
レプリカによるネビリム復活にかける偏執狂的な情熱(既にパラノイア的ですらある)はどこからどう見たって「純粋で強い志向性」以外の何物でもないし、ネビリム復活を果たすことさえできれば子供時代への回帰が叶うという彼の考えは幻想に過ぎない。
だが思うに、レプリカを使ったネビリム復活は不可能であると、ディスト本人はもう既に気付いてるんではなかろうか。被験者ネビリム死亡時に生成したレプリカが全くの別人となったことについて「研究初期段階での生成だったため彼女はまだ不完全な存在だった」と子ジェイドと子サフィは解釈したのでしょう。だとしてもその後「聖なる焔の光」の完全同位体の生成に成功したことによりレプリカ研究は(少なくともレプリカ生成技術に関しては)完成を迎えたということになります。そしてディストは被験者とレプリカとは別の人格を持つ別人同士であるという結果を得ました。
それはつまりレプリカという手段では死者を在りし日の姿に戻すことはできないということで。研究を完成まで持っていったディストは誰よりもその事実を苦く噛み締めたでしょう。そう、おそらくはジェイドよりも。彼は途中で袋小路に迷い込んだことを知って研究を放棄しています。
ジェイドが研究を放棄した時点で、ディスト(当時はまだサフィール)とて研究の行き着く先が絶望でしかないことは既にわかっていたでしょうが、ディストはそれでも行き止まりの壁に手が直接突き当たるまでレプリカという手段にしがみついた。
2人の違いは一体何か。きっとそれは、上記定義でいうところの「純度」のレベルの違いでしょう。ディストの場合はネビリム復活及び子供時代の再来を求める感情が理性をはるかに凌駕しており、ジェイドの場合はその感情は理性を凌駕するほど大きいものではなかった。と、いうよりも。この時点ではまだジェイドはごく微弱な感情しか持ち合わせていなかったのではないかと山野は疑っています。
未来の袋小路が見えてきてジェイドの感情が理性のディバイディングラインを越えたレベルまで低下した結果、2人の道は分かたれることになったんじゃないかなァ。
……何かあちこちから引用したらそれだけで複雑な文章が書けたようでいて、その実態はわかりにくくなっただけって感じだなァorz
何はともあれ結論。やっぱり奴は乙女なんだ!だからハンカチを噛みつつ涙する図があんなに似合うんだ!本編中では一度たりともそんな描写は存在しなかったにも関わらず!(笑)
…しかし嘆く際のハンカチの使い方には年齢によって違いがあり、ハンカチを噛むのは年増の仕種、だとか何とかどっかで聞いたことがあるような気もしますが、それにしたって奴の年齢的には無問題。
アビスの女性陣には乙女というよりもっと他の形容が似合うような気がする。
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